しらすご飯とザリガニと、
ウワァーン!大泣きする末娘(5)。
スーツ姿のまま玄関に這いつくばる夫。
帰宅早々、末娘の小さな水槽を落とし、
水や小石と共に飛び散った2ミリ余のザリガニの赤ちゃんを探す。
帰還直後にご苦労さまなことである。
自由研究の対象になり損ねたザリガニが卵を産み、沢山の子が生まれた。
100匹ほどのザリガニが5つの水槽に暮らし、我が家の玄関は完全にザリガニに乗っ取られている。
クリスマスには、マリア様とイエス様の人形がザリガニの水槽と水槽の隙間に立ち。
新年は、ザリガニの水槽と水槽の隙間に鏡餅が鎮座する有様だ。
結婚した十数年前に北欧風を夢みた名残りのカケラもなく、
保育園風、又は学童クラブ風、はたまたムツゴロウ王国風と化していく我が家…これが現実だわな…。
そうは言うものの
2ミリほどの透き通ったザリガニの赤ちゃんは、本当に可愛らしい。
水草食んで、ずんずん大きくなる様に目が離せない。
〈しらすご飯〉
2ミリほどのザリガニの赤ちゃんが、動かなくなったのを見て、しくしく泣き続けた娘。
涙も乾かぬうちに三兄弟で奪い合うように、しらすご飯ムシャムシャ食べてるけど、
「しらすもみんな一尾ずつ生きてたんだよ〜ザリちゃんと同んなじよ〜。」
という言葉に小さく首をかしげている。
かたや、母がうっかり真っ二つにしたザリガニの赤ちゃんを
「捨てないで!取っておいて!」
というので、墓でも作るのかと思いきや、ザリガニは共食いするから、餌にしてあげよう、と言って水槽に戻す娘(9)。
母には、想定外だ・・・。
我が家の生き物飼育を通じた命の教育?も
命に生かされていることを知り始め混沌とした
第二章へと突入している。