子どもをやる気にさせる歯科助手と、ぐずらせる歯科助手に学んできたよ~

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photo credit: Sappymoosetree via photo pin cc

歯医者さんの椅子の上で、口をへの字にしっかり結ぶ娘(4)。
歯科助手のお姉さんは、優しく
「お口を大きく開けないと、出来ないよ~。」
「お口を閉じちゃうと、お薬がついて苦いよ~」
と言うけれど、娘の口はしっかり閉じたまま。
一方、
隣の部屋では、前回、娘の担当だった歯科助手さんの声がしている。
治療の進行もスムーズな感じが、漏れ聞こえる。
前回は、娘もやる気満々で大きな口をあけて、スムーズだったのにな~。

(となりの歯科助手さん)
隣の歯科助手のお姉さんと何が違うのかな、前回を思い出したり
隣に聞き耳をたてたりしてみた。
「お口大きく開けると、すぐ終わるよ~」
そうだ、これだ・・・。
どう行動したらいいか、そのまま伝えて、行動するとどうなるか、も簡単に伝える。
「お口開けないと、出来ないよ」と言われたら、
そこから、子どもは
「お口開けないと、出来ない」 
   ↓
「何が出来ないの?痛いこと???」と疑問を感じたり、
口を開けるまでにも
「お口を開けないと、出来ない」らしい。

「それは、困る」

「じゃあ、どうしよう」

「口を開けないといけないのね」
と、考えたり躊躇したりする
何段階も段階を踏んじゃうんだよね~。
現に、娘は
「口を開けないと、出来ないよ~」
と言われて、
何やら、すごーい考えていた。

(選択肢ないなら訊くな)
もう一つ、
今日のお姉さんは
「お口開けて、綿入れられる?入れてもいい?」
と娘に訊ねてた。
「綿入れないと、ツバがついてやり直しになっちゃうよ」
「綿入れないと、薬がついて苦くなっちゃうよ」
って説明しながらさー。
って、だったら「綿入れない」っていう選択肢ないだろうが!
隣の上手な歯科助手さんは、
「綿入れるよ~?上手にできるかな~?じゃあ、右側に入れるよ~?」
って、疑問形で様子をうかがいながら、でも娘に選択肢を与えてないんだよ。
選択できることなら、選択させるべきだけど、選択できないことを
あたかも選択できるかのように、子どもの前に提示しちゃう。
これも、やりがちだよねー。
子どもの前で、生徒の前で。
選ばせるようなセリフを口にして置きながら、結局選択肢がないって、実は子どもらに対して
日々、不誠実を積もらせてるのと同じなんじゃないか。
歯医者で、自戒!

(なんで!)
「なんで、何度言っても言う事きかないのよ~」
「もう、何回言ったと思ってんの!!」
という、苛立ちの原因の一つは、実は自分の物言いにあるかもしれない・・・。
*すぐに行動に移してほしい、行動は、そのまま行動に移せる言葉で伝える。
*行動を起こさないと、どんなことになるか脅すのではなく、
行動を起こすと、どんな良い状況になるのか、イメージできるように伝える。
*選択肢がない時には、それを受け入れられる準備が出来るように、伺いながら提示する。
*選択肢がない、結局は選択させてやらない場合には、子どもの前に選択肢を示さない。
肝にめいじたいものですねー。
隣の部屋の上手な歯科助手さんは、
口を閉じたままだった娘に
「じゃぁ、こっちと競争しよう!よーい、ドンでお口開けてね!」
と隣から声をかけて、
娘の口を大きく開けさせ、さっさと治療を終了させた・・・。
隣の歯科助手さん、GJ!!
ママ業、GJ !のヒントもそこここに転がっている・・・。