本好きな子がわたっている橋

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本好きな子にするにはどうしたらいいのか?
という質問を昔からよくうけてきた。
児童書とおもちゃの専門店でバイトしていた時も、図書館で講座をひらいた時も、
ママ友とのたわいもない会話の中でも・・・。
その度に、個別の子どもの状況をきいて、作品を紹介したりしていたけど、

今日、ある人と話していて
幼年どうわ、とか幼年文学、というジャンルがあることを知らないお母さんが多いんだ、
だから絵本を卒業した後、つまずく子がいるんだ、
ということに今更気付いた。
オタクゆえの盲点というヤツだ。

(ようねんぶんがく)
絵本と、細かい字の多い児童文学との間に位置する、字が大きくて、絵も多いけどメインは、おはなし、という作品。
絵本を自分で読めるようになっても、いきなり字の多い、いわゆる児童文学に行けない子どもは多い。
自分で読むようになって、字を読む行為にてまどって、物語に入れず、本から離れる子も多いのだ。
そんな時期、絵本と児童文学の
両者をつなぐ橋のようなものが、幼年どうわ、幼年文学だ。
なんでも、ひとっ飛びは難しい。
向こう岸に渡る橋が必要なのだ。

(しいれさき)
PTAで、小学校の図書室のお手伝いをしている。
骨太の、物語の世界へ移行している子ども達の読書カードには、
たいてい、この「絵本」から「児童文学」の間に
(幼年どうわ)、(幼年文学)の橋をわたった跡がのこっている。
ますます、混迷をきわめる時代に、
自分を支える物語をつくる力をもつためには、
結局、そのための材料を自分の中に仕入れるしかない。
ゲームもアニメもいいけれど、
材料を仕入れる選択肢は多い方がいい。
橋をわたれる子どもを、ひとりでも増やすのは、
大人の仕事なのだろうな、と思う。
大人は、いつだって、自力で育つ子どもらの
後方支援部隊なのだから。