やはり物語が必要だー映画『蜜蜂と遠雷』

映画『蜜蜂と遠雷』を観た。

秋休みに親の都合でイベント無しの次女(小5)たっての希望で。

ピアノコンクールに挑む4人のピアニストの葛藤を描く恩田陸さんの小説が原作。

心にかかったのは、

主人公が、ピアニストの少年と連弾する場面。

お互いが弾く音に耳傾けあって、音で会話している楽しげな様子を見ていたら、こちらまで楽しく、そして羨ましくなった。

最近自分に不足している物。

抽象的な、或いは非現実的な話や考えのやり取り。

形而上でのコミュニケーション。

最近、具体的な、現実的な話や考えに触れて、やり取りする時間が多い。ほとんどそれに埋め尽くされかけた日々だ。

大学にいた頃は、研究室の先輩や仲間とランチしながら「メタのメタのメタメタ」と茶々を入れつつも、抽象的な、非現実的な話や考えについて熱く語りまくることが日常だった。

あれは、最大最高の娯楽だったのかもしれない。

十数年前、敬愛するベンチャーキャピタリストに「畑違いと思っていた文学とビジネスの世界が実は重なっているようだ」と話したら、シェイクスピアにも造詣深いその方は「もう気づいたの?その通り」と仰ったっけ。

どの世界も時と場合によって解像度を変えて、捉えることで見えることもある。

それが物語になったり、物語がそれを助けたりするのだ。

と、ぐだぐだ書いたけれど

映画を観た感想は、ひとこと。

やはり、どんな時も物語が必要だ。

それを即興で奏で合う仲間も。