近くて遠い子との支え合い方

子どもが三人、外の世界から帰宅すれば、面白いネタも頭痛のタネも色々とお持ち帰りする。

同級生から聞いた愚痴や小さなSOSを持ち帰ることも少なくない。

子どもは、子ども同士で
家庭の愚痴や、様々な想いを
つぶやきあっているのだ。

我が家の子らも皆、
あちこちの家庭の様々な事情を
友達の口から聞いて持ち帰る。

子らから聞く、友達のつぶやきは、時に切なくて苦しい。

出来れば知りたくなかったな、と思うこともある。
他人の家の家庭不和や問題が、子どもの聞いてきた友達のつぶやきから見え隠れするけれど、何も出来ないからだ。

子ども自身が虐待されているのなら、
施設や関係各所に繋ぐために動くことができる。

でも、家庭内の不和は、不可侵領域だ。
長屋ずまいの熊さん、八っつぁんの時代はどうだったのかわからない。
今は、隣に住む家族のことだってよくわからないことも普通にある時代。現に私は子どもの同級生の親を全員は知らない。

ジジジ

知っても何も出来ない。
きっと世の中の先生達も同じジレンマを抱えているのだろう。

問題行動といわれることを繰り返してしまう子どもの背後には、家庭内の問題があることも多い。けれど、他人が入り込む余地がないこともまた、多いのだから。

子どもの口から家庭や夫婦の様子が漏れているとか、
親からしたらゾッとする。
うちの子、外で何言ってんの!?ってな感じだよね。

私だって、夫婦喧嘩はしないけれど、
仕事を持ち帰り尻に火をつけ頭に角出してることなんか良くある。
そんなテンパり親の背中から殺気のシャワーを浴びている子らは、同級生に愚痴きいてもらってるかもしれないね。

そもそも、ずーっと何の問題もない家なんかないのだ。

救い

親にとっちゃドキドキだけど、
愚痴を言える友だち、
不満や不安を吐き出せる友だちが
いることは、子どもにとって
小さくても大切な救いなのかなとも思う。

だから、
帰宅した子らが、
友だちのつぶやいた不安や悲しみを
持ち帰ったら
黙って受け取る。

そうして明け渡して出来た空間が
また、友だちのつぶやきを
ただただ聞いてくる余裕を作ると信じて。

近くて遠い大変な子に
何にも出来ないけれど、
そういう支え合い方もありかなと
今は、そう思っている。

それくらいしか
今は、
思いつかないからなんだけど。