いちばんの報酬は、余裕だった

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photo credit: kainet via photopin cc

「ほら、遅刻する~!!ゴラァァァァ~」
「いいかげん服、着ろ~!!」
「ちゃんと歯をみがいたの~!!」
と、
人の話を右から左へ受け流す息子(6)に
毎朝、同じセリフを怒鳴り散らす日々から、脱するために
あの手この手と、やってきた。

(あめとムチ)
「やることやらないと、ポケモンとりあげ~!!」と脅したり、
「さっさと出来たら、今日のおやつ2倍だ!!」と餌で釣ろうとしたり、
しかしまぁ、ちっとも効果なく
「ゴラァー」の声響くこと数ヶ月。
「もう、ママは、疲れ果てました…。
あなた、自分のやることは、自分で考えて、やってください」
と息子に宣言して、
自分でやることを順番に考えさせることにした。

(チェックリストの効能)
「えっと、最初は(起きる)だな。」
「それから、(服をきがえる)。(パジャマたたむ)っていうのは、3番な。」
「で、(歯磨き)だ!おっと、ご飯たべるのが先だな。」
などと言いながら、
息子は、学校へ行くまでのチェックリストを作った。
1.起きる
2.着替える
3.パジャマをたたむ
4.ごはんを食べる
5.歯磨きをする
6.忘れ物チェックをする
7.じかん余ったら、何かする
「なんだ、やること、ちょっとしかないじゃないかー」
息子は、朝起きてから色々やることがあって、面倒くさいなーと感じていたらしく、
意外とやることの少ないのを知り、驚いている様子。
母さんは、知ってたよ。あんたのやることが、少ない事をさ…。
でも、多分、私がテンパってる時、上の方で見てる人は、同じこと思ってるんだろうな。
自分で、チェックリスト作ってみると、
何となくのしかかってたものが、整理されるんだよね。
やらなくちゃいけない事を把握する、っていうのは、本当に人を楽にするんだな。
出来たチェックリストを手にひらひらさせて、
嬉しげに狭い部屋を走る息子を見て、あらためて思った。

(自分で)
息子は、娘(8)と同じに出発50分前に起床し、同じ準備をして、
同じ時間に登校する。
娘は
「(服をきがえる)と(パジャマをたたむ)は、絶対一緒!!2番め」
と言って、自分の朝のチェックリストを作っていた。
一方、息子は、
「(服をきがえる)と(パジャマをたたむ)は、別がいいな、だってその方が
いっぱいチェックできるもん。やること、違うしー」と。
以前、
私が勝手に「やることリスト」作って、
「この通りやれぃ!」と言った時は、誰もやってくれなかった…。
やはり、自分で考えて、自分の為に、自分が納得するように作るのが大切なのだねぇ。
あと、チェックリストの存在を忘れちゃうから、そのリマインダーが必須。
朝起きて、いつも通りにだらっとし始めそうだった息子に
「チェックリスト作ったんじゃなーい?」と声をかけたら、
「ハッ!そうだった!」と言って、
おもむろにズボンを脱ぎだした。
チェックリストは、自分で作って、
リマインダーとセットで使う、っと。
ここ重要(笑)メモ、メモ。

(ゆとり)
で、そんなこんなで
自分で作ったチェックリストに従って、準備を終えて
時間のゆとりが出来た息子は、
「いぇーい、全部終わったぜー、だらっとして来ようっと」
といって、布団でにこにこしながら、ひとしきりゴロゴロした後、
自分の机に座って、
小さな箱に入った化石を取り出して、
光にあてたり、じっと見たりなどしている。
「おぉ、よ、余裕ですねー!!ゆとりですねー!!」
と、母に何度ものぞきこまれては、
「へへへー、余裕ですよ。へへへー」
と、とても嬉しそう。
そして、「へへへへへー、余裕だなぁ、今日は」と
いいながら、登校して行った。
相変わらず、朝バタバタの母は、
「そ、そんなに余裕なら、て、手伝ってよ!!」と
喉から、いやもう舌の先まで出かかってたんだけど、
我慢したよ。
そう、報酬は、
何よりの報酬は、大人だって、子どもだって
「余裕」だよね。
あたしも、チェックリストつくろっと…。