学校にも滅びの呪文「バルス」があったー学級崩壊の歩き方2

「バルス」

ジブリの映画『天空の城ラピュタ』

の滅びの呪文である。

学級崩壊の形も様々なら原因も様々。

たいてい原因が一つということはなく、

様々な要因が絡み合って

学級は徐々に崩壊していく。

しかし

『天空の城ラピュタ』で

最後に主人公のパズーとシータが

「バルス」と唱えることで一気に天空の城が

崩壊したように

崩れそうになったクラスに最後の一撃を加える

滅びの呪文がある。

それは

「みんな、悪い」

である。

実際は、「クラス全員が悪い」「男子も女子も悪い」

「学級全体の責任でこうなった」など

言葉は色々だが

言っていることは共通している。

崩れそうな学級で

担任がこの言葉を発したら

学級崩壊は近い。

担任の先生だって、

こんな言葉を発したくて発しているのではないだろう。

追い詰められた先に

「みんな、悪い」

という滅びの呪文を発するのだ。

最後の砦

崩れかけた学級で

教室を脱走する児童がいても

授業がほとんど成立しなくても

じっと我慢している子どもたちがいる。

暴れる子に大人たちが注目する中

誰にも注目されず、静かに座り続けている子どもたちがいる。

彼ら、彼女らも

人間だし、子供である。

静かに耐えつづけていた挙句

「みんな、悪い」と言われて

堪忍袋の緒が切れないわけがないのだ。

今迄、経験してきた9クラスの学級崩壊で

担任がこの滅びの呪文を

口にしなかった例はなかった。

凄腕のベテラン先生が

「男子も女子も悪い」と言って説教しだした時

「滅びの呪文」の法則よ、破られよ。

例外よ、現れよ、と願ったし、

保護者仲間と動いたけれど

結局、学級崩壊は止まらなかった。

滅びの呪文を口にするところまで

担任を追い詰める前に

管理職をはじめとするバックアップ体制を

作る以外に

不幸な学級崩壊を止める手立ては

ないのではないかと思う。

現場が若返っている今

早すぎるくらい早い担任のフォローが

求められている。