ひとりにたくさん

西日本豪雨のニュースが流れてきた。

「死者200人」とあった。

高校の時、友達が突然親を亡くして

「自分は、今までニュースで3人死亡、とか聞いても

ふーん、3人だけしか死ななかったんだ、と思ってた。

でも、

1人死んだだけで、こんなに大勢の人が悲しむんだな」

とつぶやいていたのを思い返す。

200人×何倍も何十倍もの人の悲しみ。

「1人」という数が表すものが1人分じゃない、ということを想う。

1人にまつわる、何人分もの悲しみがあるということは、

1人が残した、優しさや美しさ、楽しさなども何人分もあるということ。

200人というのは、200人分じゃない。