音楽を通して音楽じゃないこと

小学校の音楽の先生と

卒業以来30年文通している。

この間、本当に久しぶりに

電話で話した。

声は、昔のまんま。

「先生全然、変わってないね〜」と言ったら

「いやいや、もう後期高齢者よ、後期高齢者」

と笑いながら、昨年入院したと言う。

「大変でしたね〜」という私に

先生は

「でも、病院って

普段なかなか見られない事が、色々なのよね〜

新鮮だったわよ、あはははは」

と笑った。

そうだった

そうだ、そうだった。

30年前から

いつも

我々子どもたちを興味津々という風に

目を見開いて見て、いちいち驚いてくれて

あはははは、と笑っていた。

これまで

先生のおかげで

音楽観賞の楽しさや

皆と歌う喜びを知ることが出来た

と思っていた。

じゃないこと

でも、音楽の時間に

教わっていたのは

音楽だけじゃなくて

何かに興味津々向き合って

いつもポジティブに楽しむ姿勢

だったみたい。

たぶん

どの教科も

教科を学ぶ為だけの

教科じゃないんだろうね。

春になったら

リハビリ終える先生に

会いに行き

そんな事も話そうか。

きっと

「へー、さすがね」

と驚くよ、目を見開いて。