「子どものダメさ」に頭を抱える親の為の処方箋

大変効果がある処方なのに

飲み忘れることがあるから、

私が常に手に握りしめている薬の処方箋。

それは

子どものダメさに頭を抱えても

絶対に他人と比較しないこと。

そして、

子どもが「出来る子」を

妬むのではなく、リスペクトするよう導くことだ。

子どもを他人と比較することの罪は以前の

エントリーで書いた。

『あなたも私もやっている?子どもから悪魔を引き出す簡単な方法』

羨ましい

近くにいる「出来る子」は、子どもにとって何とも羨ましい存在だ。

自分より足が速い、自分よりスポーツが出来る、

自分より勉強が出来る、自分より字が上手い、自分より絵が上手いなどなど。

親や周りの大人が

そうした「出来る子」と自分を比較し、

自分にダメ出ししたら

子どもの「羨ましい」気持ちは簡単に

「妬み」に変わる。

「羨ましい」が「妬み」に変わった時、

子どもは、そこからポジティブに学べない。

一方で、相手をリスペクトできた時

子どもの持つ

「相手の良きものを吸収する力」が

最大限発揮される。

子どもの持つ「羨ましい」を

「リスペクト」に変えるのを助け、

そうした心の癖をつけることは、

大人が子どもに手渡せる最大の贈り物のひとつである。

ドリームキラー

勉強やスポーツを頑張る子を妬み、

妬みを持つ子同士でつるみ

頑張る子を

『なんで、勉強とか運動とか、真面目に頑張っちゃってるんだよ』

といじめ、引きずり下ろす集団を間近で見たことがある。

引きずり下ろしている子らも

明らかに傷ついていた。

自尊心が傷ついているから

他人を引きずり下ろし、

引きずり下ろしたことで

更に傷ついている。

彼らは、その後、別の場所に進んでも様々なことが

上手くいかず心身を傷めながら苦しんでいる。

分岐点

同時期に、

勉強やスポーツについて、

自分が出来ないことを他人が出来ると、悔しがりながらも

『何でお前だけ出来んだよ、スゲーな、教えろよ~』

と言い合っている集団も知っていた。

当然のことながら、皆が実力をつけ、それぞれ別々の場所に行っても、心身共に健やかに青春を謳歌している。

「羨ましい」の扱い方が、子どもの成長や未来の方向性に少なからぬ影響を与えている。

波キター

追い詰められると、親子そろって子どもの「ダメさ」に

注目してしまいがちだが、それで親子共々更に追い詰められるのである。

自分も度々その罠にかかって負傷した。

今、私が、自分に関わりのある子どもに伝えるのは

そばに「出来る子」がいることは僥倖である、

ということだ。

「近くに出来る子いてラッキーじゃん、それって自分も出来る可能性が高いってことだよ」と。

恋愛や仕事もたぶん同じなのだろうと思う。

「友人が次々に良い出会いに恵まれ、結婚していくのに自分だけ取り残されて、、、」と嘆いて相談にきた人に

「周囲が幸せになっているってことは、自分のところにも波が来てるってことだよ、

誰かに良い話が来たら

『おぉ、おめでとう!ってことは

こっちにも波来てるーー。波キターーーー。』って言い続けてみなよ。」

と伝えてその通りにして、希望通りに結婚しなかった人がいない。

どう捉えるかの癖

そばにいる「出来る子」の存在を

自分も「出来る」兆候なのだ

自分も「出来る」ようになるきっかけなのだ

と捉えることが出来ると、

子どもが「出来るようになりたい」と思ったことを

自分自身で出来るようにする力が

ぐっと伸びる。

そういう子どもの姿を見た時、親の方が

「子どものダメさ」に頭を抱えている自分の考え方が違っていて

子どもは、本当はちっとも「ダメ」なんかじゃない、

ということに気づくのである。

まぁ、私たち大人だって、考え方の癖なんか

気づいたらいつだって捨てられる。

そういうダメさを改善しつづける親の背中も

また子どもへのギフトかもしれないしさ、

と思って、めげずに行くしかないのである。

処方箋を握りしめつつ。