勉強しろ、と言わずに勉強させる方法 「勉強しようぜ」by陰山英男

私は勉強しろと言われても、やる気にならない子どもだった。

なのに…親になったら「勉強しろ」と言いたくなる場面が結構ある。

「勉強しろ」と言って良いことなんて全然ない。

言われた子どもはどうせやらないし、言った自分は気分が悪い。

勉強しろと言わずに済む、楽な方法を試行錯誤してきたが

今一番のお気に入りは、これだ。

「勉強しようぜ」

出張Live

長女は先日、中学受験を終えた。

「はぁ〜やる気ないな〜」とか
「あぁ〜勉強する気ないわぁ〜」と
ぼやいて机に突っ伏すと…

ズボンの尻ポケットにさした iPhoneで
「勉強しようぜ」を大音量で流し、前奏から
腕を振り上げてノリノリの母が登場。

至近距離で熱唱。

「う、うざいんですけどー」
と言う娘にお構いなしに歌い続けると

「わかった、わかった、わかったよぉ(笑)」
と言って勉強しだす…。

母が台所仕事で手が離せない時にも

わざわざ「あ〜勉強する気がしないなああ〜」と催促に来ていたので

出張Liveに効果があったのだろう(笑)

おかげで
第一志望の学校に入学することになった。

勉強しろ、と言わずに済んだおかげで
親子バトルもせずに済んだ。

「勉強しろ」と「勉強しようぜ」とは
似て非なるものなのである。

支え

秋口からの学年崩壊。
ダークサイドが引き出されてしまう
子どもが続出し、先生も完全に疲弊。
娘にも理不尽な出来事降り注ぐ
厳しい数ヶ月だった。

その間も娘や自分を支えてくれたのは
この歌だった。

2番の歌詞に励まされ、エネルギーを
向かわせる方向を間違えずに済んだ。

人にぶつけたいその怒り
今は自分にぶつけるんだ
一生分の悔しい涙
今ここで全部流すんだ

勉強しようぜ
今すぐ全速力で
迷う間にも時は逃げる

勉強しようぜ
つらくても悲しくても
君の夢 つらぬいて

人生100年時代である。
皆、一生勉強し続ける時代だ。

怒りや悲しみといった
負のエネルギーに絡めとられず、
前進する力に変える訓練が出来たことも
財産だ、と娘もいつか気付くだろう。

自己催眠

「勉強しようぜ」は
日々のん気に暮らす
息子(小5)と末娘(小2)にも好評だ。

食卓で二人向かい合いながら
「勉強しようぜ〜♪ イェーイ イェイ♪」
とノリノリで
1小節ずつ歌い合いながら
宿題をしている。

昨年の夏休みと冬休みの宿題の
漢字や計算といった単純作業系宿題は
二人で向かい合いながら
歌い続けて、ほぼ1日で終えた。

嘘のようなホントの話である。

自分で自分に「勉強しようぜ〜♪」と歌いかけ、互いに「勉強しようぜ〜♪」と歌い続けた催眠効果か(笑)

母は、笑える光景を
茶をすすりながら横目で見ているだけ。

いつまで効果があるのか分からない。

でも、この歌が心に刻まれていたら
逆境の中で勉強する必要がある時にも
必ず力になるだろう。

というわけで、掃除しながら
今日も尻ポケットのiPhone、大音量。

さぁ、ご一緒に。

勉強しようぜ〜♪
今すぐ全速力で〜♪