魔女の宅急便じゃないよ、お父ちゃんの宅急便


「下の子、生まれたんですよー!」

前に住んでいた家の近くをママチャリかっ飛ばしていたら、懐かしい顔のヤマトのお兄さんが走り寄って来た。

まだ、子どもらがオムツしてミルク飲んでいた頃、いつも大きな段ボールを運んで来てくれたお兄さん。

子どもらは皆アレルギー用のミルクを飲んでいたから、近所で売っていなくて宅急便で届けてもらってた。いつも同時に二人とか三人オムツだったからオムツも大量だったしね。

ママチャリの後ろに乗ってた娘(6)に
「あなたの飲んでたミルク、半分はママのおっぱいから来て、半分はこのお兄さんが運んで来てくれたんだよー」
と教えたら、娘とお兄さんは顔見合わせて「へへへー」と笑っていた。

ライフライン

雨の日も雪の日も、お届けものしてくれる宅急便のお兄さんたち、ほんとに有難い。

あー、色んな人に支えてもらって、やっとこ子どもも生きのびて、こうしているんだな〜とあらためて思ったよ。

お兄さんの携帯の待ち受けの子どもは、ひとり増えていた。
「かわいいね」と言うとお兄さんはニッと笑い、
携帯をパタンと閉じてお尻のポケットに入れると、「じゃあ」と一言残して台車と共に走って行った。

がんばれ、お父ちゃんの宅急便!

ガニ股気味にママチャリこぎつつ、
お母ちゃんもがんばるよ〜という気になった。

さあて、夕飯なんにしよ〜。